「受動的な猫」と「身体を持たない人工知能」の共通点 自らの失敗に気づけない“AIの限界”と、 主体性の大切さ

人工知能が仕事を“増やしてくれた”まさにその瞬間
松田雄馬氏:どんどんいきます。「AIには『身体』がない!」。AIと人間の違いから主体性の必要性を知ろう、というお話をしていきたいと思います。
主体性は、まさに今のキーワードという感じだと思いますけれども。僕はいつもお話ししているので、初めてじゃない方はもう「おなじみのあれかな?」みたいに思っていただければと思うんですけど、映像を用意しました。
「身体がないことでこんなことになっちゃうんだよ」とわかる映像なんですけれども。ちょっと映画のナレーション風にお話ししますね。
20XX年、とうとうごみ収集の仕事まで奪ってしまうロボットが出現したという……。やべぇ……。人類はごみ収集の仕事まで奪われてしまうのでありましょうか。
はい。やべぇですよ。もうごみ収集すらさせてくれないのか、みたいな感じですけど。半ば冗談で言ってるんですけど、これ実際にアメリカとかカナダとか国土の広いところで、実際に運用されている半自動のごみ収集マシーンですね。
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— V 🍭🧸 Sun Jul 18 04:32:57 +0000 2021
(映像が流れる)
ごみを見つけて、いい感じで……いやぁ、やらかしちゃいましたね。運転手さん「仕事を増やしてくれやがって」というね。
人工知能が仕事を増やしてくれた、まさにその瞬間ということだったりもするんですけど、実はこれ一番大事なことは、ここなんですね。
ミスしてぶちまけるじゃないですか。ここまでは、まだいい。初めてやるんやからしょうがない。人間かて子どもとかよく失敗するやんかとか、大人でも初めてやることは失敗するやんかという話ですよ。人間でも失敗するんですよ。だから当然ロボットも失敗するんですけど、問題はその後で。これです、これ。見ました?
この“我関せず感”。「え、何かありました?」みたいに言ってそうですよね。要するに何が大事かというと、やらかしたことに気づくことすらできないワケですよ。これが身体を持っていないロボットという、あるはずの身体が自分のものになってないという、すごく大きな問題だったりもします。
だからこそ身体を持っている人間が、システムの尻拭いをせざるを得ないところで「仕事増やしてくれやがって」みたいなことがわかってしまうワケですね。
AIにはボディとしての身体があるように見えるんですけれども、それが自分のものになってないことによる弊害がある。AIの限界でもあります。