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記事 社会科学系大学院でAI関連授業を開講してみた。

社会科学系大学院でAI関連授業を開講してみた。

社会科学系大学院でAI関連授業を開講してみた。
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□第1次AIブーム(1950年代~1960年代)は、「推論・探索の時代」で、コンピュータで「推論・探索」をすることで、AIで特定の問題を解くことの研究の時期で、「トイ・プロブレム(おもちゃの問題)」では対応できるが、「複雑な現実の問題」は答えられなかった。

□第2次AIブーム(1980年代)は、「知識の時代」と呼ばれ、コンピュータに「知識」を入れ賢くするというアプローチ、つまり「エキスパートシステム」が主流だった。しかし、知識の記述・管理の難しさが判明し、1995年に再び「冬の時代」に戻ってしまった。

□そのような経過を踏まえて、現在の第3次AIブームが起きている。今は、「機械学習と特徴表現学習の時代」といわれる。その背景には、1990年代半ばの検索エンジンの誕生以降インターネットが爆発的に普及し、2000年代にはウェブの普及と共に大量データによる「機械学習」(注1)が可能になり、ビッグデータで広がった「機械学習」と「ディープラーニング(特徴表現学習)」の2つの波が重なって起きているブームと考えられている(注3)。

[AI授業の内容について]

(鈴木)AI関連の授業を担当していただきましたが、どんなことをされたのですか。

(市田行信さん)機械学習はブラックボックスで難しいものではないことを伝えるために、「機械学習の利用例」「機械学習のうち特に重要なディープラーニングの概要」「Pythonによる実際のプログラミングによる、機械学習の実行」について教えました。

[授業、特にオンライン授業について]

(鈴木)そうですか。ありがとうございました。では、その授業を担当されていかがでしたか。特に今回は、完全にオンラインだけの授業だったわけですが、いかがでしたか。困った点、良かった点などについて教えてください。また工夫された点についても教えてください。

(市田さん)生徒のプログラミングの画面を、他の生徒ともオンライン上で共有できたのは良かった点だと思います。困った点としては、オンライン授業だと、生徒の反応が分かりにくかった点が挙げられますね。

(清水啓玄さん)プログラミングの説明の際には、ウェブサイトやパワーポイント、プログラムのコードなどとファイルがたくさんあるために共有するのに時間がかかりました。他方で、参加者が作ったコードを、授業の参加者全員ですぐに共有できて、理解の進度を確認できたのはよかったと思いました。これも、オンライン授業だからこそ可能だったわけです。

[社会科学系の学生に教えることについて]

(鈴木)AIというとこれまでは、理系の授業のように考えられがちでしたが、今回の対象者は、社会科学系の院生でした。その点での感想(難しかった点、困った点、工夫された点等)をお聞かせください。

(市田さん)できるだけ数学的な話を概念に置き換えて説明するように心がけました。実習も全ての生徒が最低限程度は進められたことから、ある程度は理解いただけたと思いますので、社会科学系であることによる大きな問題は無かったと思います。

(清水さん)プログラミングの基礎を通り越して機械学習やディープラーニングのコードを短期間で学習するのは相当ハードルが高いのではないかと感じておりましたので、初めの方で、プログラミングの基礎を取り入れつつ、徐々に機械学習やディープラーニングのコードで何をしているのかに着目して実践できるような構成をとる工夫をしました。

[EBPの現在および今後の展開そして授業との関係について]

(鈴木)色々と工夫していただき、ありがとうございました。その工夫のお陰で、参加院生の全員がきちんとAIについて学ぶ機会が持てて、良かったと思います。その点でも、ありがとうございました。

(市田さん)EBPは、主に、統計学などを駆使したデータの分析や処理などを中心に、アンケートやインタビュー等を通じた社会調査全般を行っている会社で、博士課程満期退学者以上の研究者が集まり、霞が関の官公庁や自治体、大学をクライアント(顧客)にしています。主な分野は、医療福祉系と、理系では環境学や農学系が中心です。

(清水さん)今回の授業では、データづくりの大変さなどを、それらの経験から伝えることができたと思います。

「機械学習に接触したことがない私としては、この授業が始まることにとても興味がありました。初めの6回の授業は全部理論的な内容だったので、授業を聞くのはとても楽でした。そして、理解できない内容があっても、授業が終わったら自分でネットで勉強して答えを見つけることができました。

(市田さん)今後は、清水さんからも紹介のあった意見なども含めて今回の授業の経験を活かして、オンライン講義なども行っていきたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

[AIのブームや発展について]

(鈴木)最近のAIブームや社会におけるAIの発展についてどうお考えですか。

(市田さん)AIのできることについて、専門外の人はあまり明確に理解できていないかもしれませんが、AIの発展は今後も進むと思います。金儲けだけに使うのではなく、公共セクターでも活用し、恩恵が社会全体に及ぶようにすることも重要な視点と考えています。

[授業の今後の展開について]

(鈴木)今回担当された授業について、来年以降も担当する場合、新たに何か考えていることはありますか。

(清水さん)今回はコロナ禍の影響で、授業の回数に制約がありましたが、来年以降については、実習の時間を増やしてもいいかもしれません。

[読者に伝えたいことについて]

(鈴木)その他

(市田さん)AIのリテラシーを高めることは、開発者にならなくても、日常生活をする上でも、また様々なビジネスや活動を展開していく上でも、非常に重要と思います。その意味では、より多くの方、いやすべての方のAIなどについての理解や関心を高めていただきたいと思います。

(鈴木)本日は、ご多忙のところ、ありがとうございました。今後は、より多くの方々にAIなどについても学んでいただきたいですね。

(注1)「人工知能システムが,学習目標を例示した学習用データを与えるだけでみずからのふるまい方や知識を自力で獲得し,改良できるようにする手法」(出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)

(注2)「コンピューターによる機械学習で、人間の脳神経回路を模したニューラルネットワークを多層的にすることで、コンピューター自らがデータに含まれる潜在的な特徴をとらえ、より正確で効率的な判断を実現させる技術や手法。音声認識と自然言語処理を組み合わせた音声アシスタントや画像認識など、パターン認識の分野で実用化されている。深層学習」(出典:/デジタル大辞泉[小学館])

(注3)『人口知能は人間を超えるか…ディープラーニングの先にあるもの』(松尾豊

(注4)同プロジェクトでは、IBMが、顧客が自身のビジネスに活用いただくために、AI(IBM

(注5)「《AlphaGo》米国グーグルディープマインド社が開発した、囲碁対局用の人工知能。ディープラーニングにより、過去の膨大な棋譜を学び、さらに、自身作成のプログラムと多数対戦することで強化学習を行っている。局面や指し手の良し悪しを決める評価関数を用いず、モンテカルロ法で終局までランダムに打ち、もっとも勝率が高い指し手を選択する。2015年には人間のプロ棋士に勝利した。」(出典:小学館/デジタル大辞泉)

(注6)英文では、singularity。「人工知能(AI)が人類の知能を超える転換点(技術的特異点)。または、それがもたらす世界の変化のことをいう。米国の未来学者レイ・カーツワイルが、2005年に出した“The Singularity Is Near"(邦題『ポスト・ヒューマン誕生』)でその概念を提唱し、徐々に知られるようになった。カーツワイルは本書で、2045年にシンギュラリティが到来する、と予言すると共に、AIは人類に豊かな未来をもたらしてくれる、という楽観的な見方を提示している。」(大迫秀樹

[鼎談者紹介]

市田行信

京大学部・修士では労働経済学の橘木俊詔先生に応用計量経済学を学んだ。京大博士課程では地域計画の研究室に所属し小林愼太郎先生の下で学び、地縁組織による地域資源の管理(中山間地域等直接支払制度等による)についてソーシャルキャピタルの観点からの定量的研究などを行った。その間、日本水土総合研究所を通じて農林水産省の研究等にも参加。

<2004年頃から研究室の先輩が就職した日本福祉大の近藤克則先生のJAGESプロジェクトを手伝うようになり、ソーシャルキャピタルや介護予防の研究もJAGESのデータで実施。博士課程修了後は三菱UFJリサーチ&コンサルティングに3年間所属し、その後、博士人材により未来を切り拓くシンクタンクとして、EBP政策基礎研究所を起業し(2010年)現在に至り、官公庁や市町村の委託政策立案業務に約13年従事。

清水啓玄

'''EBP(政策基礎研究所)'''

社会科学系大学院でAI関連授業を開講してみた。

タグ: 子供にaiを説明する方法人工知能のおもちゃ