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記事 『敗北を抱きしめて』ジョン・ダワーが評価した、日本の戦意高揚映画と戦争モチーフ着物に見られる「近代性」

『敗北を抱きしめて』ジョン・ダワーが評価した、日本の戦意高揚映画と戦争モチーフ着物に見られる「近代性」

『敗北を抱きしめて』ジョン・ダワーが評価した、日本の戦意高揚映画と戦争モチーフ着物に見られる「近代性」
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被災者へのメッセージ

「被災者の皆さん、日本の皆さん。この悲劇は、私たちみなを結び付けています」。身近なところでアメリカ人たちが義援金を送ったり、チャリティー活動をはじめたりしている。「日本の試練に心を寄せる」市民活動が、いま世界中で起きている。そう日本人を励ました後、ダワーは戦争の記憶を綴った。

「津波の恐るべき破壊の映像を見ると、私は空襲で破壊し尽くされた1945年の日本の市や町に思いを致します……60を超える都市が廃墟となり、子どもも含め何十万もの人々が命を失いました。日本がどれだけ破壊し尽くされたか、今では覚えている人も少ないでしょう」

「……迅速な復興など想像もできないほどでした。日本人は献身的に一からはじめたのです……英雄的でした」

ヘンリー・ジェイムズと夏目漱石

『敗北を抱きしめて』ジョン・ダワーが評価した、日本の戦意高揚映画と戦争モチーフ着物に見られる「近代性」

並行する日本とアメリカの近代化

<1年前の話を踏まえて、朝食をとりながら、マクレランのことも含め、ざっくばらんに互いの日本近代史観を語り合った。単に歴史だけでなく、文学や経済史など雑多なことを3時間近く話した。いまでも、ホテルでの会話を思い出し、懐かしいと同時に、興奮がよみがえる時がある。われわれ二人の「放談」を合成したエッセンスは次のようなことだ――。

<1860~70年代に起きた日本の明治維新とアメリカの南北戦争・同再建期は、世界史の中で同じ意味を持ったのではないかというところから、話は始まった。この二つの出来事は、日米という太平洋を挟んで向き合う二つの「半封建国家」を一挙に近代に突入させた。アメリカは南北戦争で北部が勝利するまで、「半封建・半近代」だった。18世紀末に政治的には先進的な共和制国家として出発しながら、国家の南半分で奴隷制が維持され、大農場所有者は欧州貴族をまねて生活していたのである。他方で北部は、欧州から自立した工業国家への道を歩み出していた。

米西戦争と日清戦争

「ペリーのころから日本もアメリカもほぼ一緒に発展し、近代化していった。一つの近代があって日本がそれに直面したのではなく、日本も含めいくつもの近代化の道があって、相互に影響し合い、競争しながら進んだ。日本はその中で欧米以外の国家としては驚くほど急速に近代化した」。当時書いた記事を引けば、ダワーはそのように語っている。

「近代化論」への反発

(後篇へつづく)


会田弘継(あいだ・ひろつぐ)関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版

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