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記事 【開催報告】AWS リテールセミナーシリーズ #4 ~事業成長を促進するデータ活用~ 1. Opening – 消費財・流通・小売業界とAWS – 2. 効果的な可視化と予測を行うには -事例から見るAWSのデータ分析ソリューション- 3. ゲストスピーカー講演「リアル店舗の実購買データに基づいた新しいマーケティングをご提案 – 購買が見える。ユーザーが見える。-」 まとめ

【開催報告】AWS リテールセミナーシリーズ #4 ~事業成長を促進するデータ活用~ 1. Opening – 消費財・流通・小売業界とAWS – 2. 効果的な可視化と予測を行うには -事例から見るAWSのデータ分析ソリューション- 3. ゲストスピーカー講演「リアル店舗の実購買データに基づいた新しいマーケティングをご提案 – 購買が見える。ユーザーが見える。-」 まとめ

【開催報告】AWS リテールセミナーシリーズ #4 ~事業成長を促進するデータ活用~ 1. Opening – 消費財・流通・小売業界とAWS – 2. 効果的な可視化と予測を行うには -事例から見るAWSのデータ分析ソリューション- 3. ゲストスピーカー講演「リアル店舗の実購買データに基づいた新しいマーケティングをご提案 – 購買が見える。ユーザーが見える。-」 まとめ
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アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 デジタルトランスフォーメーションアーキテクトの國田です。2021年4月15日にAWSは消費財・流通小売業界におけるオンラインセミナーを開催いたしました。本Blogでは、今回のテーマである「事業成長を促進するデータ活用」について、レポートしたいと思います。

AWSではこれまで、「Born from Retail, Built for Retailers」というメッセージを掲げ、Amazon での経験をもとにした様々なソリューションを流通小売業のお客様にご提案してきました。しかし、世の中がかつてない変容を遂げようとしている中、消費財・流通・小売業のお客様においても、消費者の新たな購買行動に対応していくために変革を行っていくことが喫緊の課題となっています。そのようなお客様に対し、AWSが持つ知見や技術を広くお伝えするために、このセミナーシリーズが企画されました。 2021年の第1回目となる本セミナーでは、不確実と変化の時代において事業成長をするためのデータ活用というテーマで、消費財業界と、流通小売業界のそれぞれの皆様に向け、AWSが提供できることの概要をご紹介しました。続いて特に可視化と予想という切り口でのAWSのアナリティクスサービスの活用方法をご紹介したあと、最後に株式会社データ・ワン 代表取締役 太田英利氏、技術管掌取締役 北山 禅立本博文氏にご登壇いただき、リアル店舗の実購買データに基づいた新しいマーケティングにAWSをご活用された事例についてご講演をいただきました。 ここから、それぞれのセッションの内容について振り返っていきたいと思います。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 エンタープライズソリューションアーキテクト本部 消費財&流通小売ビジネス部

オープニングセッションとして、杉中より消費財・流通・小売業界に対し、AWSがどのようにご支援できるのかお話いたしました。

・消費財業界 AWSが考える Make, Move, Market という概念をご紹介し、これら3つの側面で消費財業界のお客様を支えていくことをお話しました。

昨年から今年にかけて経済活動が大きく変わってきている中、消費者の価値観、考え方、行動様式もまた変わってきています。 そのため、企業の皆様も、消費者の行動の変化に対応するべく現場で様々な手を打っていると認識しています。この変化に対応することで、消費財業界のお客様がより視野を広げるということも可能で、消費者接点を広げる、あるいは深めることで、消費者に選んでいただく企業になることが必要と考えます。そのためには先端テクノロジーを活用してスピードをもって革新的な商品やサービスを打ち出していくこと、消費者チャネルを駆使してオンラインでもオフラインでも消費者を魅了していくということが求められてきます。“Think big, act small“ という言葉にあるように、大きなコンセプトを掲げつつ、小さくできることを試していくという両面が必要になってきているとご紹介しました。

Make, Move, Marketは、AWSで消費財のビジネスバリューチェーンに沿ったコンセプトとして定義したものです。 Makeは生産プロセスのことです。このプロセスを可視化することで、最適化や自動化ができて、最終的に生産性やコストの管理につなげていくことができます。 Moveは生産現場から消費者に届くまでのサプライチェーンのことです。より早く商品を動かしつつも、コスト効率や、安全性や環境への配慮が求められます。 Marketは消費者接点そのものです。様々なチャネルから得られるデータを使って、デジタルエンゲージメントを進化させる。スピードをもって、シンプルで利便性の高いよりよい購買体験を消費者に提供することが必要になります。

最後に、これら3つの領域でAWSのサービスがどのように活用できるのか?ということについて、説明をしました。 Makeでは生産現場に配置したセンサなどからデータを収集して、機器の異常を検知しつつ、コンピュータビジョンを使ってパッケージングの品質を検査するといったような生産現場の様々なワークロードに関わります。これらを自動化、効率化する、いわゆるスマートファクトリーの実現をご支援しています。 Moveでは高い精度の需要予測や生産計画、配送計画などがポイントになります。そのために生産拠点からラスワンマイルに至るまでサプライチェーンにおける様々なタッチポイントを可視化して、機械学習を活用した予測を行うことで、サプライチェーン全体の最適化を支援しています。 Marketの分野では、モバイルやインターネット、ソーシャルといった複数のデジタルプラットフォームにまたがった消費者接点がポイントになる。ここではAWSのデータレイクや分析サービスを組み合わせることで、デジタルユーザエンゲージメントを提供できるようなデータ基盤を構築していただくことが可能になります。 AWSはこのようにデータ系、あるいは人工知能や機械学習、ECサイトに代表されるようなDirect to Consumerやマーケットプレイスなど、様々な技術要素をご提供して、消費財業界の皆様のビジネスチャレンジをお手伝いしたいと考えています。

・流通小売業界 続いて流通小売業界の取り組みとして、昨年から “Born from Retail, Built for Retailers“ というメッセージを掲げて、Amazonでの経験をもとにした様々なソリューションを提案していることをご紹介しました。

消費財業界と同様に、変化していく消費者の購買行動への対応が求められているため、以下の4つの分野での変革が重要だと考えていることを説明しました。 ・クラウドへの移行(マイグレーション) まだ実店舗での販売も多いものの、昨年は一気にeコマースのシェアが増えています。また、リモートワークも一定の割合で続いていくことが予想されています。このように確実にデジタル化が加速されていくので、その入口としてクラウドマイグレーションによってデジタル変革の素地を持つシステムに移行しておくことが重要です。 ・機械学習(ML) 購買がオンライン化するということは、取扱商品が増える、また、消費者が選べる店舗も増えることから、データも増えます。増えていくデータを素早く分析して、かつ購買行動の中で適切なポイントで活用していくため、機械学習が欠かせません。 ・デジタルトランスフォーメーション これは、顧客とのエンゲージメントの変革そのものを意味します。よりよい顧客体験を提供していくためにライブストリーミングを始めとした新しいユースケースや仕掛けを考えていく必要があります。 ・モダナイゼーション 既存のシステムを新しいアーキテクチャに変更していくことで、中長期的に安定したシステム基盤ができ、そこから新しいサービスやソリューションを生み出す余力が生まれてくると考えています。

AWSは常にカスタマージャーニーを起点に、流通小売業の変革を、カスタマージャーニーの中でどういった要素として実現していくのかを考えています。 バリューチェーンの中ではデータが分断されがちですが、データレイクに集めて、ひとりの顧客のジャーニーとして可視化していきます。そうすることで漠然とした消費者という固まりではなく、「わたし」や「あなた」というひとりの「個客」とのエンゲージメントをより深く、意味のあるものにするにはどうしたらいいか、というインサイトを得ることができます。音声認識、画像認識、ARといった新しい新しい技術を使ったソリューションも、インサイトの中から生まれると考えています。そのようなソリューションを実現するためには基盤が必要であり、基盤だけではなく素早くサービスを提供できるように、開発や運用も最適化されている必要があります。

Amazon、AWSは顧客起点でのサービスを展開しています。その経験とノウハウをAWSのサービスを通して、カスタマージャーニーを完成させるために、主に6つの分野で展開していきたいと考えています。 すなわち、eコマースを含めたストアシステムの改革、次にパーソナライゼーションやレコメンデーションなど、より高度なカスタマーエンゲージメント、さらにマーチャンダイジングとサプライチェーンの最適化、企業の基幹業務のマイグレーションやモダナイゼーション、そしてデータ活用です。

・本セミナーの狙い 以上をふまえ、本セミナーは、最後のデータ活用の部分に着目して、データとデータを可視化して活用することで生まれてくる新しいマーケティングについて紹介することを述べました。 最後に、AWSの消費財、流通小売業界向けのWebサイトと事例集をご紹介いたしました。セミナーの開催と併せてこれらのWebサイトも拡充していきますので、活用していただきたいと思います。

参考サイト 消費財事業者向けページ https://aws.amazon.com/jp/cpg/ 流通小売事業者向けページ https://aws.amazon.com/jp/retail/ https://aws.amazon.com/jp/local/retail/

アマゾンウェブサービスジャパン株式会社 技術統括本部レディネスソリューション本部 アナリティクスソリューション部 ソリューションアーキテクト 平間 大輔

・はじめに 消費財・流通・小売業界の皆様は、企業活動の中で様々な場所から業務に応じて日々データが生み出されていきます。かつては捨てられてしまうデータが大半でしたが、現在ではクラウド上のデータレイクと呼ばれる場所に、日々のデータを蓄積することが行われるようになってきました。 消費財業界では、消費者の期待値が変化したり、競合他社の脅威、さらには破壊的なイノベーションが起こり、今までの市場がなくなってしまうといった課題に遭遇されていると思います。また、流通小売業界では、パーソナライズされた情報を提供して欲しいという要望や、ECサイトと実店舗をシームレスに利用したいという要望が消費者から上がってきています。一方で、横断してマーケティングすると複雑になり、セキュリティの懸念もあるため、必ずしも消費者のご要望にすべて応えられている状況ではないと思います。 これらの課題を日々の業務で蓄積されたデータを活用して解決できないか?というのが本セッションのテーマです。そのデータの蓄積ができれば、過去と現在を把握することができます。まずは過去と現在を知り、可視化して分析することができれば、将来を予測してアクションにつなげることができます。本セッションでは特に、可視化をして分析、予測に至るまでをスコープとしてお話しました。

・データの蓄積ができたら、まず可視化することで過去と現在を知る 可視化のプロセスでは、現状の把握を行うこと、すなわち何が起きているのか、何が問題なのかを把握することが重要になります。今までは分析の担当者がエクセルで分析してレポートを作成し、メールで必要とする人に送っているのが大半でしたが、たいへんな作業であり、一部の担当者だけでなく、企業活動に関わるすべての人がこの活動に参加できないか?というのが課題でした。 そのような課題を解決する手段として、Amazon QuickSightをご紹介しました。機械学習や見やすいダッシュボードをすべての人に提供するためのBIツールです。 まず基本的な機能として、データをグラフ化したりするダッシュボードを作成することができます。フィルタやインタラクティブな動作を提供することができ、動作も高速です。分析画面を作るだけでなく、ダッシュボードとして簡単に共有することができます。また、ふだんの仕事が忙しくて、なかなかダッシュボードを見る時間が取れない方のために、電子メールで送信する機能もあります。例えば時間のないエグゼクティブの方も、メールで確認することができます。さらに、専用のWeb画面だけでなく、企業のイントラネットやすでに利用されているWebアプリケーションに機能を組み込むことができます。ふだん使っているWebアプリケーションからシームレスにダッシュボードを見ることができるようになります。 企業活動に関わる全員がBIを利用するために重要なのは、料金体系です。そのためQuickSightでは、ユーザを2種類に分けています。 ・Authorは、分析画面を作ったり高度な分析を行い、ダッシュボードを作りこむ役割です。年間契約をしていただくと、ひとりあたり $18/月 でご利用できます。 ・Readerは、作成済みのダッシュボードを見ることができるユーザです。Readerはダッシュボードを見た時間に応じた料金体系になっています。一回画面を開くとそこから30分間は$0.30で利用でき、上限が $5/ユーザ/月 になっているので料金計算がしやすく、全く見ないユーザには料金がかからないという料金体系になっています。 (料金は2021年4月時点のものです。)

・売上分析ダッシュボードのデモ

続いて、小売業を想定した売上分析ダッシュボードのデモを見ていただきました。 最初の画面では、売上全体の実績と、予算に対する達成度がひとめで分かるように表示されるほか、昨年対比、粗利率も表示されています。 商品別に深堀りした実績一覧も表示することができます。箱の大きさで売り上げ数、色の濃さが売上高というように、一目でどのようなものが売れているのか可視化して把握することができます。ここで特定の商品をクリックすると、さらに絞り込んで詳細を見ることもできます。 次に、店舗別の実績が見えるようになっています。店舗の位置を地図上に表示して、売上高の大きさを円の大きさで表すことができます。コントロールを操作することでデータの絞り込みができ、例えば東京都の店舗の状況のみ絞り込んで表示することができます。 また、比較対象を選んで自分の店舗と比較をすることができます。Webアプリがある場合、会員が来店した回数や、自分の店舗と他の店舗での売れ筋商品の比較をすることができます。 三番目の画面では返品の多い商品の分析をすることができます。それぞれの商品の売上高と売上高達成率別にみることができるほか、個客の属性に応じた返品率の比較をすることができます。さらには性別や年代により絞り込んで表示することができます。 最後に商品レビュー画面では、レビューの内容を分析することができます。ワードクラウドでよく書かれている単語を一覧表示することができます。また、例えば「カメラ」と指定すると、カメラに関係するレビューのみを表示することができます。また、レビュー数の推移や未来の予測をすることができます。

・可視化ができたら、BIからMLを利用して、将来を予測する ここまで簡単にQuickSightで可視化することができることを紹介しました。可視化ができたあとは将来の予測に進みます。 時系列の予測ができると、売り上げ予測に基づいて在庫を最適化することができたり、店舗の人員を最適化するといった、ビジネスの課題を解決することができます。 QuickSightでは組み込みの機械学習の機能を持っています。将来の予測の他、異常検知や文章の作成もすることができます。さらに踏み込んだ分析として、What-if分析をご紹介しました。将来の目標値を置いたときに、目標値から逆算して、いつどこまで達成しなくてはいけないのかがわかるようになっています。 続いて、これらの機能をビジネスにご利用いただいている株式会社大創産業の公開事例をご紹介いたしました。MLによる予測機能を活用することで、商品トレンドの変化をすぐに把握でき、売上の予想と在庫最適化に活かせるようになったとのことです。

・何を予測すべきかが明確となったら、システムに組み込んで自動化し、結果をアクションにつなげる どこが問題か、何を予測すればいいのか明確になったあとは、システムに組み込んで自動化するというステップに進みます。 定期的にデータを与えて、予測をして、予測結果をもとにアクションをするという手順を踏みます。これをやるためのステップとして、多様な機械学習のソリューションを用意しています。Amazon SageMakerのように、モデルを自ら作成するサービスもあるほか、それぞれのソリューションに応じたAIサービスもあることを紹介しました。

【開催報告】AWS リテールセミナーシリーズ #4 ~事業成長を促進するデータ活用~ 1. Opening – 消費財・流通・小売業界とAWS – 2. 効果的な可視化と予測を行うには -事例から見るAWSのデータ分析ソリューション- 3. ゲストスピーカー講演「リアル店舗の実購買データに基づいた新しいマーケティングをご提案 – 購買が見える。ユーザーが見える。-」 まとめ

そのようなAI/MLサービスの活用事例として、re:Invent 2020で発表された2つのお客様事例をご紹介しました。 韓国の大手リテールグループ、SHINSEGAE(新世界)では、Amazon Forecastを用いて商品の需要予測モデルを構築されました。全店舗の82%の商品で無駄な在庫を省かれることに成功されました。 また、米国のMacDonaldでは、6,500万件にもおよぶ顧客データの収集や、2,00万件にも上るSNSでの評判分析にAmazon Comprehendを利用した自然言語解析の仕組みを導入されています。これにより、店舗別や商品別の改善点や評価を収集することが可能になりました。

・一度に全てはできないので、範囲を絞ってスモールスタート ここまで説明した仕組みを一気に実現するのは難しいケースもあります。そこで、はじめの一歩として、範囲を絞って、スモールスタートをすることをご提案しました。それができたら他の事業に拡大するという流れをご紹介しました。このプロセスを採用する場合は、トライ&エラーの体制をとることをお勧めしています。 同業他社だけでなく、他業種の業界も参考になると思います。セキュリティが厳しく変化の速い金融業で、JP Morgan Chaseの事例をご紹介しました。

本セッションでご紹介したダッシュボードは、以下で詳細をご紹介しております。

Amazon QuickSightのBIダッシュボードで小売りデータを分析する

Amazon QuickSightのギャラリー

講師:株式会社データ・ワン 代表取締役 太田英利氏、技術管掌取締役 北山 禅氏

O2O、オムニチャンネルの分野で一貫したキャリアを歩まれたCEOの太田様から、実店舗での購買行動に基づいた広告配信についての最新の事例について、お話しいただきました。

株式会社データ・ワンは、2020年11月から事業を開始され、伊藤忠商事、ファミリーマート、NTTドコモ、サイバーエージェントの4社の出資のもと、データを活用したデジタル広告配信業ならびに広告代理店をされています。設立の背景として、1. 日本のネット広告費がTVCM広告費を超えるという現象に代表されるような、広告・メディア業界の大きな変化、2. 米国や日本で小売事業者がデジタルの広告事業に参入するという、小売のエコシステムが再構築されようとしていること、3. 他業種も含めた競争が激しくなる中、 ファミリーマート の成長戦略の一環と位置づけていること、をご紹介いただきました。

データ・ワンでは、リアル店舗の実購買データに基づいたターゲティング広告事業を行われています。オンラインの世界において行われているPDCAサイクルをリアルの世界にも拡張したいと考えているとのことです。すなわち、ECの世界で普通に行われていること ー 広告配信をして、どのような方がそれを見て、サイトに訪問して、カートにものを入れて、買ったか買わなかったのかを把握した上で、カートに入れたけれども買わなかった方には新しく広告にフィードバックしていく ー という精緻な投資プロセスをリアルの店舗でも可能にすることを目的とされています。それを実現されるために、ファミリーマートの持つ購買情報、NTTドコモの持つdポイント会員の膨大な属性データ、サイバーエージェントの持つデジタル広告のノウハウを持ち寄り、伊藤忠商事がオーガナイズするという体制で運営されているとご紹介いただきました。データ・ワンはそのような体制のもと、データをもとにしてどういった広告をどういった顧客ターゲットに売っていくのか、細かくセグメントをして広告主に提案しています。それだけでなく、キャンペーンに対する提案も行い、広告配信も自身で行えること、また、配信が終わったときにどういったKPIを達成したのかを細やかにレポートすることをビジネスモデルとされています。

そのようなデータ・ワンのビジネスを支えているのが、量、質、種類が豊富なデータの活用とのことです。もともと保有するデータに独自性があるだけでなく、異なるデータ間の紐付けを行うことで、さらにデータの量を増やしています。そのための仕組みとして、ファミリーマートの店舗に来店されるお客さまが、Tポイントアプリやファミペイのアプリを使われた場合だけでなく、従来からあるプラスチック製のカードを提示された場合について、IDの推定を行う例についてもご紹介いただきました。また、活用の事例として、幅広いリーチで認知度を上げるという使い方のほか、実際に商品を購入いただきたいお客さまに広告をピンポイントで配信することもできることをお話いただきました。そして、そのような広告の効果として、広告を見た人が実際に店舗で購買されたかというレポートのほか、POS全体の売上げの中で自社商品の割合や動き、競合ブランドからのスイッチがあったかなどの分析がレポートされるとのことでした。

次に、CTOの北山様より、データ・ワンのビジネスを支えるシステムについてのご説明をしていただきました。システムは大きく4つのパートに分かれていて、

  1. データの取り込み・突合部分
  2. 購買情報も含めたユーザのデータの管理部分
  3. 広告配信部分
  4. 広告配信結果を集計して、可視化する部分

により構成されています。NTTドコモとファミリーマートからのデータは Amazon S3 で受け取り、会員番号もしくは位置情報からの推定も含めてデータを突合します。そして Amazon Redshift 上のDMPに格納したのち、そこからキャンペーンに応じて対象者を抽出して、広告配信を行います。自社 DSP(Demand Side Platform) では、各社 SSP(Supply-Side Platform) と接続していて、リアルタイムを広告を入札して解析を行っています。そして広告配信の結果を集約し、Amazon QuickSight により可視化を行います。

このシステムでは、パートによって求められるスペックが異なります。すなわち、左半分は大規模データかつ推計突合などの高度な処理が求められる一方で、処理自体はデータ集計時にのみ走ります。一方で、右半分では処理自体はユーザ情報を参照するというシンプルなものですが、外部の SSP に接続しているため、リクエスト量が多く、秒間1万リクエストレベルの高速処理が求められます。そのため、左側でのデータ処理は AWS Fargate を利用して、データ更新時のみ、必要なリソースを動かします。そして、大量のデータは Amazon Redshift で処理をする。一方で、右側の DSP では、AWS Fargate を常時起動して、DynamoDBによって大量のリクエストを処理しています。そして、これらすべては AWS のフルマネージドサービスを活用して、サーバレス構成で運用しています。

ここで鍵となるのが、用途に応じたデータベースの使い分けでした。Amazon Redshift は DWH として大量なデータを保持でき、また、集計のための関数が豊富です。Amazon DynamoDB は、KVS(Key-Value Store) なのでクエリはシンプルですがレスポンスが速く、また、スキーマレスなのでデータ構造が柔軟です。また、Amazon DyanamoDB は、リクエストへの従量制課金のみなので、データ量に対して料金が発生しないというメリットもありました。こういった特徴から、大量のデータ管理・分析が必要な DMP の部分では Amazon Redshift を活用し、DSP では入札時に広告情報を参照するので、レスポンスの速い Amazon DynamoDB を利用しています。特にユーザ情報は、ユーザごとに持つ情報が異なり、キャンペーンごとに異なるケースがあるのでスキーマレスの特徴が生きているとのことでした。そして最後に管理画面のデータ管理については、データ量が少ないもののレスポンスの速さが求められるため、柔軟な RDBMS である Amazon Aurora を用いているとのことです。このように、用途に応じて柔軟に使い分けられることも AWS のメリットだと実感されたとのことです。

また、AWS の使用感について、実際にシステムを構築・運用された上での感想をお聞きすることができました。 まず、システムの立ち上げの早さと、リソースをタイムリーに利用できる点は期待通りで、それによりリソース調達に煩わされることなく、わずか2.5ヶ月でのローンチを可能にしたとのことです。データ・ワンのサービスは購買データを活用した広告という珍しいサービスであるため、処理も全く新しいもので、カスタマーデータも大きく、事前のプロビジョニングが難しいものでした。そのため、想定よりもデータ突合処理は軽かったものの、データベースの負荷が大きかったという事態に直面しました。しかし、リバランシングが簡単にできたので、大きなトラブルとならず対応できたとのことでした。「自前のハウジングで構築していたと思うとぞっとしている」との言葉が印象的でした。また、さまざまなデータソースと連携できることもプラスだったとも言及していただきました。 次に期待以上だった点として、技術サポートの手厚さを挙げていただきました。通常の技術サポートと同様、利用サービスの使用方法を聞くくらいを期待していたところ、AWS ではアプリの内容まで突っ込んだ設計に関するところまで相談することができたとお話いただきました。また、AWS 以外の製品についても非常にフラットに比較して改善のアドバイスが提供されたことで、選定をすることができたそうです。機能性についても、各プロダクトがよくできているという印象で、やりたいことに対してだいたい必要なことが揃っているという安心感があるとのコメントをいただきました。例えばストレージの暗号化は S3 で簡単に、かつ低コストで実現することができたと紹介をいただきました。サービスが多いと言うことは良い面だけでなく、何かを実現する上で非常に多くの選択肢がある処理の最適化が大変になってきているが、そういった意味でも、手厚いサポートが助かっていると言及していただきました。 最後に今後の期待として、分析結果の可視化、アプリケーション監視について、サービスの幅が増えていくことや、Amazon Redshift がさらに利用しやすい料金体系になることへのご期待を伺うことができました。

最後に、「データ・ワンの描きたい世界」として、太田様にご講演を総括していただきました。広告の世界を技術的に変化させて、適切な広告を配信するということが可能になってくると、小売業側での施策も変わってくるのではないか? ーすなわち購買情報に基づいてOne to Oneでお客様に情報を提供することができ、それを見て店舗に来ていただいたお客さまに対してどういった形で背中を押すか、色々な施策が取りうるのではないか?と問いを投げかけていただきました。リアルなサイネージ、広告と連動して店頭を工夫する、クーポン、サンプルと組み合わせることも考えられるとのことです。データ・ワンは広告事業者という立場から、小売業者と連携して全体としてPDCAを回していきたい、また、製造業者にとっても、広告投資を最適化するという価値を提供できる、そして消費者にとっても有益な情報をタイムリーにお届けすることができるとの思いをお聞かせいただきました。 また、現在の広告はスマホ上のアクションでセグメントされて配信されるケースが多いため、過去の検索の影響を受けることが多く、実際にその人の生活様式と合っていない広告を目にする機会が多いとのことです。例えば、仕事でお客さまを訪問するときにお客さまの商品を検索すると、それに関する広告が配信されることがあり、個人の趣味趣向とは異なることもあります。一方、購買は実際に趣味趣向を反映されているので、ジャストフィットした広告がお届けできることをご紹介いただきました。 最後に、広告が高度になればなるほど、配信する内容には配慮しなくてはいけないとの覚悟をお聞きしました。「技術が進化すればするほど、ヒューマニティがより重要になると肝に銘じながらそのような世界を構築していきたい」という締めくくりの言葉が印象的なご講演でした。

いかがでしたでしょうか。今回のセミナーに参加されなかった方にも、セミナーでAWSがどのようなことをお話しさせて頂いたかがお伝えできていれば幸いです。冒頭や講演の中でも述べました通り、新しい時代において今までのAmazonが蓄えてきた消費財・流通・小売業界の知見を、様々な形で皆様に還元していきたいと考えております。 ぜひ、こちらも定期的にご覧頂き、AWSが発信する消費財・流通・小売業における最先端の情報を取得いただければと思います。今後もこのようなセミナーを企画し、皆様に様々な情報をお届けしたいと思っています。次回もぜひご期待ください。

特に今回のセッションのテーマであるデータ分析に関して、2021 年 6 月 24 日(木曜日)に実施される以下のセミナーを実施します。豊富な事例をご紹介いたしますので、ご参加をお待ちしています。

AWSで実践!Analytics modernization ~事例祭り編~

また、他のリテールセミナーシリーズの開催報告は、以下のリンクからご覧いただけます。

第1回 リテールセミナーシリーズ 2020年7月7日 [Blog] 第2回 リテールセミナーシリーズ 2020年8月24日 [Blog] 第3回 リテールセミナーシリーズ 2020年10月28日 [Blog]

タグ: 人工知能aiが小売業をどのように再形成しているか