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ブログ ロボコム・アンド・エフエイコムのデジタルファクトリーが始動 「南相馬モデル」が日本の製造業DXを加速させる

ロボコム・アンド・エフエイコムのデジタルファクトリーが始動 「南相馬モデル」が日本の製造業DXを加速させる

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ロボコム・アンド・エフエイコムのデジタルファクトリーが始動 「南相馬モデル」が日本の製造業DXを加速させる

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左:ロボコム・アンド・エフエイコム代表取締役 飯野英城 / 右:ロボコム・アンド・エフエイコム代表取締役社長 天野眞也

製造業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)から生産ラインの開発・実装までを包括的に支援するコンソーシアム「Team Cross FA(チームクロスエフエー)」。その幹事企業の1社であるロボコム・アンド・エフエイコム(R&F)が福島県南相馬市の復興工業団地に建設した工場が6月、本格稼働を開始した。南相馬工場は日本の製造業に何をもたらすのか。Team Cross FAプロデュース統括でR&F代表取締役社長の天野眞也と、同じく技術統括でR&F代表取締役の飯野英城に、同工場のビジョンについて話を聞いた。

日本のロボットSIerが抱える課題

深刻な人手不足に加え、地政学的リスクや自然災害によるサプライチェーンの分断など、製造業を取り巻く環境の変化は目まぐるしく、ダイナミック・ケイパビリティ(企業変革力)を強化するためのDXが喫緊の課題となっている。製造業DXの推進において、その中核をなすのは生産の自動化だ。つまり、ロボットをはじめとするテクノロジーを活用したファクトリーオートメーションが求められているのだ。日本は、産業用ロボットにおいては世界的に高いシェアを誇っている。しかし、それをさまざまな機器やソフトウェアと組み合わせ最適な自動化を実現する「ロボットシステムインテグレーター(ロボットSIer)」は、世界的競争力があるとは言いがたい。Team Cross FA技術統括兼ロボコム・アンド・エフエイコム(R&F)代表取締役の飯野英城はその要因について、日本にはロボットシステムインテグレーションを体系的に学ぶ場がないという根本的な課題を抱えていることにあると言う。「日本の工業系の学校では機械工学、制御工学、電子工学、情報工学と分野が完全に分かれています。ロボットシステムインテグレーションはそれらを横断的に学ぶ必要があるのですが、そうした学校は日本に存在しません」飯野英城 Team Cross FA技術統括/ロボコム・アンド・エフエイコム代表取締役学びの場がないことが、ロボットSIer業界の恒常的な人材不足を招いているのだ。課題はそれだけでない。日本では、特定の会社から仕様を細かく指定された案件しか受けない企業が多い。そのため日本のロボットSIerの技術的な積み上げが乏しく、新たなニーズに対応することができないのだ。R&F代表取締役社長の天野眞也は、前職のキーエンスから独立した際、顧客が求める設備を製作できるロボットSIerを探すのにも苦労したと振り返る。「私は大きな勘違いをしていました。それまでは、ロボットSIer企業であれば、どんな業種・工程の自動化も実現できると思っていました。しかし今になって考えればよくわかるのですが、現実はそうではありませんでした。レストランに例えるならば、イタリア料理屋にお寿司の注文をしたり、またはその逆をしても受けることができないのと同じように、ロボットSIerの世界でも、それぞれ得意な技術や領域があって、どんな自動化を手掛けても利益が出せるというわけではありませんでした」ロボットSIerの多くが特定の専門分野だけを生業としている。それゆえに、顧客の求める仕様が少し変わっただけで、加工部品の適切な発注先すらわからなくなってしまうロボットSIerも少なくない。天野眞也Team Cross FAプロデュース統括/ロボコム・アンド・エフエイコム代表取締役社長

南相馬に出現した最先端デジタルファクトリー

R&Fが南相馬に建設したのは、最先端の技術と設備を取り揃えた次世代型「デジタルファクトリー」だ。天井の高い広々とした製造現場には、同社のコーポレートカラーである赤に塗り替えたメーカー選りすぐりの最新設備が整然と並ぶ。そのスケール感はヨーロッパの先進工場を思わせる。若い人がワクワクして仕事に取り組める環境を用意したのだという。南相馬工場は人材不足という業界が抱える課題の解決に一役買うとともに、ロボットSIerの可能性を広げる後方支援システムも整えている。飯野は30年以上にわたり、さまざまな業界のファクトリーオートメーションを手がけてきた。南相馬工場は飯野のこれまでの経験をもとに、「生産システム」「ネットワークセキュリティ」「エネルギーマネジメント」の3つをコンセプトに設計された。生産システムには、前述の通り最先端の設備を取り揃えた。それぞれの設備はAIによって統括され、自動見積もりから「変種変量」の生産までを一気通貫で行う。デジタルツイン、つまり現実世界から収集した諸々のデータによって再現されたデジタル上の仮想生産ラインが、生産システムの最適化を実現しているのだ。システムを運用するうえで注意しなければならないのがネットワークセキュリティだ。しかし、一般的な工場では、それらは軽視されがちだと飯野は指摘する。「さまざまなデータを見るためには、IoTなどを通じてものすごい数の機器をネットワークにつながなければなりません。それだけに、セキュリティの担保は非常に重要です。ところが、現状ではまだまだ無防備な工場が多い。我々は生産が停止することがないよう、万全のセキュリティ対策を講じています」南相馬工場では、基幹システムのコアネットワークレベルと工場内の生産ネットワークレベルの二段階でネットワークセキュリティを構成。アクセス制御(ACL)やファイアウォール、UTM(統合脅威管理)に加え、工場内のネットワークを各加工ゾーンごとに分け、それぞれにエッジ側ファイアウォールを設置する念の入れようだ。それによって、外部だけでなく内部からの攻撃も防ぐことができる。エネルギーマネジメントについては、シーメンス製の最新のエネルギーマネジメントシステムを導入し、工場内のあらゆる消費電力を監視している。「工場内のCO2排出状況が細かい部分まで見えるので、改善すべき箇所がひと目でわかります。急に全部を切り替えるのは難しいので、できるところから電気化するなどして省エネに取り組んでいます」(飯野)もちろん、南相馬工場の環境課題に対する取り組みは消費電力のモニタリングだけにとどまらない。工場建屋にはソーラーパネルを敷き詰め、太陽光発電システムを導入し、産業廃棄物を削減するための計量システムも導入している。これらの取り組みにより、年間3000トンのCO2削減を見込むという。南相馬工場が目指すのは、カーボンニュートラルの実現だ。厳しいエネルギーマネジメントは日本国内だけでなく、海外市場を見据えてのものでもある。「タイやベトナムなどではPM2.5の濃度が高く、空が常に霞んでいます。経済の成長が公害の成長にもつながってしまっているのです。我々がシステムや工場を世界に導入して行く際に、『日本の設備は技術力が高いけど公害もついてくる』と言われたくはありません。カーボンニュートラルへの取り組みは、持続可能な生産体制に不可欠ですが、世界で導入していくための競争力にも不可欠なのです」(天野)環境課題への取り組みについて、天野はさらに続ける。「パソコンが2台あって、片方は環境への負荷が低いと言われたら、誰もがそちらを購入するでしょう。環境負荷が高いと製品が売れない時代がやって来るのです。これからは製品そのものの省エネ性能だけでなく、生産過程も含め、環境にどれだけ影響を与えるかを開示することも必要になるでしょう。それにはトレーサビリティの確保が重要。製品1個のカーボンフットプリント(炭素の足跡)を追える仕組みも確立していきます」

南相馬から世界にロボット技術を発信

南相馬工場では研修センターを併設し、ロボットSIer業界の人材不足の課題解決にも取り組んでいる。会津大学と共同研究をしているほか、大学などの教育機関からインターンを積極的に受け入れているのだ。「この工場にはロボットSIreに関するすべての技術が詰まっています。日本一の技術をもつ集団がいるので、当社で学べば日本一のロボットエンジニアになれます。ロボットメーカーにひも付いたロボットSIerだとそのメーカーのロボットしか扱わないため、他社の製品のことがわかりません。しかし、我々はさまざまなメーカーの製品を所有したり使いこなしたりしています。最先端技術の現場がある工場でしか、我々のようなコネクテッドエンジニアリングは学べません」(天野)さらに南相馬工場では、高等専門学校などの教育者に対しロボットSIerの重要性や魅力を啓発しているほか、教師や学生の見学も積極的に受け入れている。天野は教育関係者に限らず、広く見学を受け入れたい意向だ。「この復興工業団地の隣には物流、インフラ点検、大規模災害などでの活用が期待されるドローンや災害対応ロボットなどの一大研究開発拠点『福島ロボットテストフィールド』があり、コロナ禍前には、年間1万人ほどが視察や見学に訪れていました。製造業に関わりのある方は、ロボットの利活用で社会に貢献している当社の工場にもぜひ立ち寄っていただきたいです」南相馬工場にはショールームも併設されており、最先端のテクノロジーを目の当たりにすることができる。天野が重視するのは、地域との関わりだ。R&Fはもち前の技術力とインテグレーションを武器に、現地に根を張り高みを目指す。「将来的には組立ラインの建屋を建設し、表面処理ラインも検討しています。この一帯がロボット系の会社やサプライヤが集まる『スマート工業団地』になればいいと思っています。ただし工場というのは、地域と一緒になって発展していくものです。地域の学校や教育機関、行政、金融機関などとしっかり連携しながら成長し、南相馬から世界にロボット技術を発信していきたいのです」(天野)
あまの・しんや◎Team Cross FAプロデュース統括/ロボコム・アンド・エフエイコム代表取締役社長。キーエンスに新卒で入社後、組織横断型の社長直轄プロジェクトを率い、同社を売上数百億円から2,000億円を超える企業に成長させる。2010年起業。現在はFAプロダクツ代表取締役会長、日本サポートシステム代表取締役社長などを兼務。いいの・ひでき◎Team Cross FA技術統括/ロボコム・アンド・エフエイコム代表取締役。FAシステム技術者を経て1997年、オフィスエフエイ・コムを創業。自動車メーカーのロボット制御からスタートし、IT、医療 システム、物流システムなど事業の幅を拡大。23年間で延べ3,000以上の工場の自動化やロボット化を実現した。
南相馬工場見学会https://robotandfa.com/event/factory-tour/Team Cross FAPromoted by FAプロダクツ / text by Fumihiko Ohashi / photographs by Shuji Goto / edit by Akio Takashiro無料会員に登録すると、続きをお読みいただけます。メールアドレスで登録外部アカウントで登録Facebookで続行Googleアカウントで登録会員の方はログイン

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